演劇を見てきた。

『モンスターとしての私』という演劇を前に見た。

いつもの調子で感想書いたら、えらく怒られたのかなんなのか
「とりあえずタイマンしよーぜ、電話して来い、うらぁ!」
という感じの面白味のない返答を頂いたので丁重にすかした。
のが今年の夏ごろ。

なんか、あれだ
相手側にしても、会って話してみて単なるいちゃもんなのか判断したい。
というような意図は匂わせていたが、まあ普通に考えてこれは
「ちょっとしめるから裏庭に来い」のようなものだと捉えられる反応だから、
仮に脅しだとしたらその時点での敗北宣言でもあるわけだし。
そうじゃなくても、ちょっとキツイ対応だとは感じた訳で、
あと、
そう言って来たのが言われた本人じゃないということも、
なんかなあと思った原因でもあるのですよ。
いや、あんたが鼻息荒くしてどうする。みたいな。
まあその人と当人の関係なんかは知らんけれど。

演劇ってSRCよりももっと「酷評ばっちこい」な世界だと
思ってたけど、そうでもないんかなあ。と考え直す機会にはなった。
思ったことは僕自身の言葉よりもかっこよく言語化してはもらったので、
それは儲けだった。

なのでお断りをした訳ですよ。

さて、かと言って、
相手を恐れて、見た演劇の感想をその時の感情に正確に書かないようになっては、
それは堕落なので、微妙に前の結果に怯えつつ同じ劇団の感想を書き綴るわけだ。

感情に正確に書くノットイコール褒めちぎるノットイコールけなしまくる

で、今回は既存演劇しかも古典という事らしいので
前回感じた「なんかちょっとよく判らん結末」は無いだろうと思ったのだ。

で、ここまで書いて忘れてたけど、演劇じゃなかった。
なんか公開台本朗読ハイテンション。という趣き。

とりあえず冒頭の暗黒が長すぎたおかげで、
このまま真っ暗で最後まで行ったらどうしようと不安になったが、
不安になりだしてしばらくして点灯。
よかったよかった。

引き込まれるまでに時間は要した。
家族構成とかがさっぱりだ。
このまま一時間半が続いたらかなり拷問だとは思った。

それが嫌なので、必死で追いかけた。
視覚情報に頼る現代っ子の弱点露呈。
小道具が無いので時代がわからん。
動きがないので登場人物の絵が描きづらい。

ので、正直しばらくは辛かった。

無駄さんは登場人物に自分を重ねる向きがある、
観客として望みよいかも知れない、わかりやすい人なのですが、
誰に重ねても凹むことおびただしい。ことに気が付いた。えー。
そりゃ泣くさ。

登場人物全員が全員なんかろくでない。
家族会議の時なんか、もう凄い勢いで耳を塞ぎたくなるような世界。

人の不幸は蜜の味、とは言うけれど、それは溜飲が降りるからであって、
身も知らぬ人の不幸譚は気分が悪くなるだけだね。
気分が良くなったとしてもそのこと自体が後々自己嫌悪で気分が悪くなる原因になる。
しかしこれ、後半いともあっさり家族破綻してやんの、ははは。
はい、自己嫌悪。

この人の選び取るストーリーは絶望色がデフォルトなのかなあ。
ごく普通の人間の希望としてはハッピーエンドを望むもので、
運命に翻弄されているだけにも見えてしまう訳で、
登場人物の選び取る選択肢がろくでもなさに加速をかけている。
取りあえず、問題解決のカタルシスはなかった。
銃殺未遂は……あれが……カタルシスなのか?

今回のお話にしたって、
暗闇の中で繰り返される台詞で判る様に、
「救われたきゃ、取りあえず死後の幸せを信じて、死ぬまで苦境に耐え続けろ」
という事を言っていると読み取れる訳で、
それは確かに、昔の時代背景とか考慮すると、正解かも知れず。

それを一つの答えとしてしまってもいいのかも知れないが、
でも「モンスターとしての私」から続いてきた回答がそれなら、辛すぎるとは思う。
夢物語にはしない、というのと、
救いを与えない、というのとはまた全然違う話だと信じている。
もうちょっと観客に前向きなメッセージは送れやしないか。

とは非常に思った訳だが、
まあ劇の性質とか、そもそも筆の嗜好とかは絡むだろうし、
その解決が嘘っぱちでもいいのか?となると……ちょっと首を横に振るわけで、
結局短絡的に言えば、ハッピーエンドじゃねーのが気に食わない。
というあたりに落ち着くだけなのか、どうなのか。

今後どんな話が見れるか判んないので
もうちょっと追いかけないと判断は下せない、保留。

と、ここまで書いて一息ついて、
もらったチラシを読む。『喜劇』って……アンタ……。
一瞬本気で凹む。
その上の大御所は喜劇とも悲劇とも書いてはいなかったし、

神様はいてほしいと思います。そして世界が救われますよう

とは書いていたので、
しばらくしてから持ち直すも、なんかおかしな気分になる。
……喜劇……なのかなあ。んー。
ガラスの仮面のビビ独白のシーンがちらっと脳裏を掠めつつ、
仕事で鬱なのでここらで思考を中断しておくことにする。

追記:
ああそうそう
「モンスターとしての私」のDVDが出てたので買った。
いい鴨だね。はっはっは。

そのうち復習して、
どこら辺の見方がトンチキだったのかは再考せねばとは思うが、
いつになることやら。

追記の2:
エレーナ萌える。
天然悪女っぷりがステキだ。
ある意味黒幕。

追記3:
えーと、暗い話はもちろん嫌いじゃないのはあるけれど。

ここから追加。
更にいろいろ考える。

やっぱり多少なりともお金貰ってる以上はさ、
見終わってから何か良い影響を残さないといけないんじゃないのか
という思いは確かにあるんだけれど、

別に結末自体に救いがなくてもいい影響にはなり得るよね。
いじめビデオでいじめの描写をするようなもので。

という思考に行き着いた。
僕だけでなく、まぞひすてっくな感情というものも確かにある訳だし。
それも娯楽ではあるんだろう。